美容業界について考えてみる②

「しくじり」から学ぶ美容室経営。

いま日本って「安い」ですよね。

100均とか100円寿司とか。

きれいな店内でしかも安い。

物価が安いわけです。

過去のイメージでは日本は「家賃も物価も高い」。そんな感じでした。

今の若いスタッフには全く分からないと思いますが、「バブリー」ってやつ。

DAISOは100円均一。日本では。

しかし海外のDASOは日本円の約2倍です。100円相当じゃないわけですね。

 

物価が安いと思っていたタイや台湾、中国でも2倍。

なぜか「日本だけ」が安い。

 

ついにディズニーランドまで世界で一番入園料が安くなってしまいました。

徐々に値上げしてるので日本は高いと思っている人は多いと思うのですが、実は海外はもっと高い、

アメリカは日本円で14000円だそうで、日本以外でも10000円以上。

 

そう、「安い」。

 

「ガリガリ君」が10円値上げに踏み切っただけで、CMで

「25年間踏ん張りましたがが、値上げさせていただきます。」

と謝罪のCMをしたわけです。

TVCM「ガリガリ君値上げ編」

値上げを「悪」かのように嫌悪している人もいるかと思うのですが、それは海外の物価が上がっているのにもかかわらず、ここ30年日本だけが取り残されるように「物価」も「給与」も上がっていなかったからです。

 

物価が上がる、給料が上がっていくという実感を、国民のほとんどがここ何年も経験していないのです。

 

恐ろしいのは「物価が安い」「モノが安い」のを「良い事」と思ってる「日本人」が圧倒的に多いということ。

 

これは、「給料がいかに増えていないか」ということです。

「安く買える」「安く食べれる」から、生活ができる。

値上げは生活を圧迫する死活問題となってしまったんですね。

サンフランシスコの「シリコンバレー」では日本円で年収1400万以下は「低所得」。

日本で一番お金持ちの「港区」の平均年収は1200万。

日本で一番金持ちの地域もアメリカでは低所得の地域というわけですね。

 

大卒1年目の年収がアメリカ600万・ドイツ500万に対し、日本「250万」

半分以下です。

GDP上位のアメリカと日本。これだけ格差があるわけです。

 

しかし、物価が高くて給料高い、物価が安くて給料安い。

結果同じじゃない?と思いがちなのですが、

 

これってどういうことかと言うと、

ちょっと前に安くて良いものを「爆買い」しに来ていた中国人が多数いたのを覚えていますでしょうか?

昔は外国人にとって海外の旅行先として日本はハードルが高かったわけです。

しかし、インバウンドで海外から日本の「良い商品」「お・も・て・な・し」を目的としてたくさんの外国人が日本に来て消費をして「日本が潤っている」かのように報道されていましたが、

 

単純にデフレで日本に旅行に来るハードルが下がっただけのこと。

 

「ここ何年もの景気の悪化」という事実はあまり表には出さず、日本は景気が良いように見える側面を前面に出していただけのことです。

 

そう、国民に向けて。

 

実際に日本国内で海外の資産家に土地を買われて、日本にいながら「外国人に向けたビジネス」としてその地域の商品やその土地の食べ物に「外国人価格」で提供しているのです。

日本にいながら日本人をターゲットにはしていないんですね。

昔よく言われてた、ハワイとかグアムの「日本人価格」ってやつです。

現地の人は利用しない。高いからね。

これからはそれが逆になるわけですね。

「日本人」「現地人」ってことです。

 

ここからが重要なのですが、

日本は給料が上がってない。

海外はどんどん上がっている。

 

つまり、「良い人材」を買われるということも起こりうるわけです。

日本が世界に誇る文化「アニメ」。

この人材もどんどん買われるというのです。

日本でつくるよりも製作費をかけ、報酬を払い、世界に発信される。

同じ仕事なのに、「倍以上の給料を払います」と言われたら、そりゃそうしたくなりますよね。

そうNETFLIXに日本のアニメ制作会社も支配されるかもしれません。

 

日本の良い魚ですら、海外に何倍もの金額で競り落とされるぐらいです。

富裕層向けに。

日本人が日本の美味しい魚が食べられない未来。

日本人が日本の美味しい魚を食べるために外国資本にお金を払う未来。

想像もつきません。

日本はたくさんの誇れる文化があります。

日本の美容師の技術も世界的に評価されています。

まえにも書いたように、日本の美容室のサービスやおもてなしは外国人がびっくりするほどレベルが高いわけです。

 

人口がどんどん減っていく中、

そして美容師と美容室が増えていく中、

新たな顧客創造が必要になってくるのかもしれません。

 

しかし、今置かれている日本の現状は、

企業が利益を捻出する為に、人件費を抑え、材料費を抑え、さらに価格を抑え薄利多売の企業も多いのです。

そんな中、「最低賃金」をあげろと国から命令が下るわけです。

そうすると、もっともっと「切り詰める」ことを考えるわけです。

 

老舗の飲食店の店主の中には、

「赤字覚悟。利益なんて出なくていいから美味しいご飯を少しでも安く・たくさん食べてもらえれば、それが幸せ」

なんて人もいたりします。

値上げしてお客さんが来なくなったらさみしい、なんていうわけです。

日本人はこういう考えを「美徳」と感じる人も多いのです。

そう、「清貧」な人が好きな国なんですね。

※清貧・・・無理に富を求めようとはせず、行いが清らかで貧しい生活に安んじていること。

 

しかし、経営はそうは言ってられないのです。

売上を上げる、稼ぐということは、

ある意味、

他社の売上・顧客を奪う行為でもあるのです。

結果的に。

 

だからこそ、ついつい「お隣同士での価格競争」ばかりしてしまう。

「労働生産性」はどんどん下がってしまうわけです。

 

私は、美容室がお互いの首を絞めて没落していくことだけは避けたいと思っています。

しかし、生き残っていくためには、「価格以上の価値」をいかに近隣の美容室以上に感じてもらえるか、

現時点ではそれしかないと思っています。

日本の経済が良くなれば解決。

それが一番いいのですが、現状「?」ではないかと。

 

たとえ景気が回復しようとも、「今現在、売れているか」「選ばれているか」ということが、結局は大事かと。

 

景気が良くなったところで、まんべんなくどの美容師も潤うわけではありません。

結局は「価値ある人にお金を払いたい」というのはずっと変わらないと思います。

 

美容師も、経営者も、

今、思うように売り上げが伸びないのは、環境のせいではなく「価格以上の価値」を提供できていない事の結果と素直に受けとめることが大事。

 

技術職、人気商売である以上、

「いつでも、どこでも」戦える自分になることは、

 

「今、この瞬間」から取り組めることです。

さて、何から取り組んでいきましょうかね。

 

 

 

 

 

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