「利益感度」が高いスタッフが多ければ守備力が上がる。
なーんて言っておきながら、
実は利益感度が高いスタッフが多いと、経営者との対立構造も生まれやすくなったりします。
本来、雇用者と被雇用者は対等な立場、と思いたいのだが、
「搾取し、搾取される関係性」と思いながら会社にいる人だって少なからずいるわけです。
人件費を抑えれば、利益が出る。人件費が高ければ、利益は薄まる。
まさに、「経営者と技術者のジレンマ」
【注意】これは弊社が、というわけではなく、世の中の会社はこんな感じになってるんではないか?という視点です。
こんな同業他社様もあるのでは?と私は思うのです。
何でしょうね、今までの終身雇用や、社会を取り巻く世論が生み出した日本特有の「同調圧力」によって、
我々経営者は「雇用は絶対に守らなければいけない」という強迫観念に「やられて」しまっている状態なんだと思うのです。
無理してでも、犠牲を払ってでも、雇用は守るもの。
経営者はそう思っている。もしくは思わされている。
一方社員は・・・、
「ずっとこの会社にいよう。ずっとこの会社にいたい」なんて、みんながみんな思ってはいません。たぶん。
嫌な事があったら、合わないと思ったら、会社がピンチになったら、他にいい条件があれば、あっさり去っていきます。
雇用を守るべき経営者と、最後まで勤め上げるんだという被雇用者の関係は、今の時代はもう無いに等しい。
今の構図は、
経営者「雇用は義務」vs 社員「辞めるのは権利」
これが現実です。
そう思いたくは無いですが、
「いつでも辞められる」「ここはひとつのステップにすぎない」
そう思いながら仕事をしている人の方が、今は多いのかもしれません。
そしてもし、辞めるとなったとしても、「会社に申し訳ない」「会社に酷いことをしてしまった」
とは思っていないのではないかと。知らないけど。あくまで予想。
でも経営者は、そう簡単に解雇なんてできない。
それをすると「なんてひどい」「信じられない」と感じる人がほとんどでしょう。
社員が会社を簡単に切り離せても、会社は社員を簡単に切り離すことはできないのである。
なーんか、「フェアじゃない」世の中になってきてるわけです。
人財に投資しても投資しても、回収する前に去ってしまう。
しかし誰もそれを、「会社になんてひどいことを・・・」「なんておろかな・・・」なんて指摘するひとも、もちろんいません。少しは居るかな・・・。
つまり経営者は、
「たとえ不安因子があっても、ピンチになっても、雇用し続けなければならなない」
⇓
「生産性、収益性が下がる」
⇓
「正規雇用、正社員を積極的に採用しなくなる」
そして社員は、
「嫌ならやめて他に行けばいい」「なんか違ったら美容師やめればいい」
⇓
「業界が成長しない」「職業価値が上がらない」「市場価値が下がる」
⇓
「正規雇用されなくなる」「業務委託、フリーランスが増える」
という流れが加速する。
つまり今までの雇用バランスはどんどん崩れていく方向へと加速するわけです。
きっとこのバランスの崩れた状態が、日本の生産性が世界に差をつけられてしまった原因。
きっと昔はみんな必死に企業の期待に応えようと切磋琢磨し、休むのも惜しんで仕事に情熱を注いでいたのでしょう。
そうやって戦後、奇跡の経済成長を遂げた数少ない国が「日本」だったわけです。
それがいつの間にかアメリカ企業などの「自由な時間の使い方」「自由な社風」などの「良い面」ばかりを見て、どんどん「ブラック」と呼ばれるボーダーラインを増やし、社員の権利主義だけを増幅させてしまったのではないでしょうか。
目的に向かう為の「舵取り」が、どこかおかしかったのかもしれません。
「ゆとり教育」で結構な失敗をしてるのに、「働き方改革」。
日本も同じような事をしようとしてるのに、なぜアメリカと日本はこんなにも差がついてしまったのか。
それは「雇用の流動性」が、アメリカの方が圧倒的に激しく、「求める基準値」が高いのだろう。
しかも「お互いに」。
日本場合、雇われてる側は流動性を自発的にコントロールできるが、雇う側はほぼコントロールできない。
だからいつの間にか、「求める基準が低くなり、生産性も低くなった」といえる。
日本という国は経営者に厳しいのです。
こんな中で、生産性をあげろと。
つまり、このような「世の中の流れ」や「世論」も、
我々を襲う荒波となるわけです。
会社も社員も「WIN×WIN」なることを目指し、
この荒波から会社を「守る」には、どうしたらいいのでしょうかね?
続く?