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30年目を迎える美容師の過去、現在、そして未来 ⑥

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

今思えば、当時は理不尽とも思える研修も、とても意味のあるものだったかと思う。

若い時、そして人を管理する立場を経験しなけば気付けないことかもしれませんが。

 

生まれて社会に出るまでは親からお金を払ってもらってサービスを受けている「客」。

それが今度はお金をいただく「プロ」になるのだから、

「責任」というものがついてくる。

美容師はスタイリストになるまでは「修行」「勉強」の要素が強いからこそ、学生気分でなかなか「客」意識が抜けず、お客様殻ではなく「会社」から給料をもらっていると思っている。

 

目の前のお客様は、自分ではなくスタイリストのお客様。責任が薄いのである。

そして美容師は嫌でも「人」と強く関わる仕事。

 

自分のミスが、サロンの看板を汚してしまうこともある。

 

早いうちから厳しさを味わうことは、やはり必要。

 

今の時代はそれとは逆で、むしろ企業側が採用者を客扱い。

厳しいとパワハラと言われ、容姿を褒めるとセクハラになるんですって。

「〇〇ちゃん」もだめだったりするらしい・・・。

 

「人」と強く関わる仕事。

強く関わりすぎても、怪我するんですね。

ムズ・・・。

 

そう考えると、

私が美容師の世界に飛び込んだときは、どちらかといえば「体育会系」

休むな、水飲むな、逆らうな・・・。

熱があっても仕事に来ると褒められる。「根性ある」って。

休まないで仕事すると褒められる。「気合入ってる」って。

先輩の誘いを断らないで飲みに行くと褒められる。「かわいい奴」だって。

クロムハーツのアクセサリーつけてると怒られる。「生意気」だって。外せって。帰れって。

ほんとに帰ったら「なんで帰ったんだ!」と怒られる。

遅刻すると、無視される。

 

今の立場で、これやったら、おそらくアウツ。

いや、確実にアウツ!

 

厳しいのと、ゆるいのと、コントロールが難しい時代を生きてきてしまっている。

この状況を嘆く同世代も多いのだが、物は考えようだ。

むしろ我々は、どちらも経験しているから「オールラウンダー」なのだ。

 

サッカーで言えば、攻撃も守備もできるミッドフィルダー。そう、翼と岬のゴールデンコンビだ。長友だ。

野球で言えば、大谷のような速球とオリックスの星野のようなスローカーブを投げれるってことだ。

 

ある意味、二刀流。

 

片方しか知らない人は、教わったようにしか教えられない。

ゆるく育てられた人は、厳しさを知らないから人を育てられない。

 

ある意味、我々は変化の激しいエキサイティングな時代を走り続けているのかもしれない。

じいちゃんのように、戦争は経験していないが、

 

これから経験する可能性だって0ではないから。

 

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