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30年目を迎える美容師の過去、現在、そして未来 ⑦

とある男性美容師の過去・現在・そして未来

30年前の美容室はとにかく忙しかった。

新店舗ができると行列ができるくらい。

そうなるとアシスタントは、ほぼシャンプー台から離れることができない。

シャンプーを待ちのお客様が30分〜1時間、シャンプー台で座って待ってる状態である。

優先順位?そんな物は崩壊している。

 

社会保険の加入も義務ではなかったし、馬車馬のごとく働き手は荒れる。

当時の美容室経営者は相当儲かっていただろう。

 

もちろん手荒れは酷かったが、それよりもっと酷い手荒れの同期や先輩もいたので、むしろ私は「荒れない」方であった。

すんごいヤンキーがいると、普通のヤンキーは薄まる、みたいな。

 

先輩が言っていた。

手荒れは美容師の勲章だからね

まじか・・・。Mか・・・。

 

ある先輩は朝起きると荒れてアカギレした箇所からの膿などですべての指がつながった状態で固まっていて、それをゆっくりと剥がす作業から一日が始まるとのことだった。

まじか・・・。

そんな先輩がいるのに、自分は手が荒れてるなんて言えない・・・。

 

なんなら先輩に、

「吉田くんってあんまり手が荒れないよねー。サボってるから荒れないのかもねー。

 

◯ろすぞ・・・。

 

まあ、いかにサボろうかは、常に考えていたが・・・。

 

美容師の手荒れを病院に相談すると、

「仕事辞めれば、良くなるよ」

まあ、そりゃそうでしょうね・・・。

 

でも実際に酷い手荒れで辞めちゃう人もいる。

手だけじゃなく全身がおかしくなる人もいるからね。

 

だから思った。

「とっととアシスタントなんて卒業してスタイリストにならないと、この地獄の日々は止められない!」

 

ある意味、早くスタイリストになろうという強い意思を抱かせてくれたのである。

 

時代・サロンの現状は、自分ではどうにも変えられない。

変わるのを待っていても、文句を言っても時間の無駄。

 

自分自身が変わって行動しない限り、現状は改善しない。

 

それは今でも、これからも。

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