会議の場では主に売上の目標や結果などについてが話される。
とはいっても、半分以上はオーナーの話、そして叱責の場となっている。
各店長からしてみたら地獄のような時間だ。
マンションの一室で朝から夜遅くまで「拘束」され、なぜ目標をクリアできないのか詰められる。
売上は客数と単価で決まるので、もちろんサロンの客数が足りなければチラシ配りが足りないとなり(当時ホットペッパーはない)、単価は各スタイリストに矛先が向く。
蕨店はなぜかいつも風当たりが強い。
越谷、草加に支店があるのだが、そこの店長は気に入られている。
特に草加の店長はオーナーから気に入られ、当然、幅を効かせている。
だいたい進行はその彼やその店舗のスタッフが議長を務めることが多い。
当然そこにいるスタッフも、もちろんオーナー気に入られているようだ。
ミーティングは蕨店の吊し上げの場と化すことが多い。当時はそう感じていた。
だから性格が歪んでいる私は、なんとなく私の単価について話がされるというのをほんのり予想していた。
だから事前にデータとして自分が担当した顧客の属性、年齢、性別などをしっかり表にして持参していた。
そう、単価が低い言い訳をぶつけるためにな!
こういう事に関する頭の回転だけは速い。我ながら、性格悪いやつだなと思う・・・。
こういうミーティングではだいたい私のような「新入り」に焦点が当たる。
他店の店長も、「どんなヤツか」を見極めて質問してくる。
以前所属していたサロンを聴かれたので答えると、ちょっと驚いていた。
どうやら、地域ではそこそこ有名らしい。最初からいるとわかんないけど。
若干求められるハードルが上がってくる。
各店の売上や施術比率、チラシの配布枚数などがホワイトボードに記され、いよいよ売上の話。
予想通り、単価の話に・・・
オーナーお気に入り議長「ヨシダくん、単価低いね」
きたきた・・・
私「入社してから学生や男性を振られることが多く、ちょっと単価上げにくいですよねー」
オーナー「多いってどれぐらい?正確に言えるの?感覚で話してない?」
きたきたきた・・・
私「はい、ちゃんと実数のデータを持って来ました。サロンの数字も持ってきました。この様にサロンの男性客や学生、子どもの客数の、実に40%以上を私が担当してます。各店長さん、皆さんだったら私のような状況でどうやって単価を上げれば良いのか教えて頂けませんか?」
かましてやった。準備はしておくものだ。
各店長「・・・」
オーナー「・・・ヨシダくんさ、あんた・・・、変わってるわね・・・」
あきらかに、悪印象を与えている・・・。
この日から、私は少し変人扱いされるようになった。
どうやらこのミーティングは、こういうことをしてはいけないっぽい。
自身の無力さを認め反省して学ぶ風な表情を浮かべておく。そうしておく必要があったのかもしれない。
こりゃ、嫌われるのも時間の問題だ・・・。
※改めて、あくまでこの話は経験に基づいたフィクションですからね。つづく・・・。