「あなたは自分がトップに立たないと変われないんじゃないの?」
うーーん・・・
私は中学のテニス部の部長以来、「リーダー」的なことはしていない。
というか、嫌だ。
そもそも、私がなにをしたというのだ。
ただ愚直に売上を上げたいだけなのに。
それに自分に人がついてくるなんて、これっぽっちも思えない。
オーナー的には、
店長の苦労をわからせたかったんだろう。
しかしながら、
これまで私はその「店長」の裁量によって苦汁を舐めてきた経験がある。
低単価のレッテルを貼られた過去がある・・・。
店長には入客を管理する裁量があるので、私が店長になれば自身の入客もコントロールできるようになるのだ。
私の個々に来た真の目的である「給料アップ」は約束されたも同然。
しかし、そう簡単には行かないのである。
店長になる = 会社でFC独立をする
そうなるらしいのだ。
そして店長契約金50万を会社に納め、それでお金をためてFC独立をするという流れ。
まだこの会社でそれを達成した人はいない。
あとから知ったが、どうやら超有名美容室チェーン「EA◯TH」がそんな感じらだったらしく、そのメソッドで店舗を拡げていきたかったらしい。
なんとなく、「将来は地元で独立」なんてぼんやり思ってはいた。もちろん、本気度は極めて低い。
独立というものを強気意識したことはない。
他店の店長がこのように契約して、法人を設立し、FC独立をするという流れまできていたが、
・結局スタッフを引き抜いて完全独立しようと企んでいた
・アシスタントの女の子をホテルに連れ込もうとした
などというクズエピソードが発覚して会社を追い出されていた。
そりゃ美容師の社会的地位なんて上がるわけない・・・。
だからFC独立なんてまったくイメージがつかない。
が、しかし、オーナーの一言で一気に気持ちが動く。
「まずはあなたが300万の売上をやりなさい」
当時は300万といえば総支給で80万はもらえる売上だ。
これを達成すれば、半分は貯金できる・・・。
「はい、わかりました。やります」
とくに深く考えず、返事をした。
まあ、やってみなきゃわからない。
店長が、なんぼのもんじゃい。