失敗からの学び、価格編①

「しくじり」から学ぶ美容室経営。

私が小学校の頃、100円握りしめて学校の近くの駄菓子屋に行くことでアドレナリンやらドーパミンを放出しておりました。

当時ビックリマンチョコは30円。

モロッコヨーグルは10円、ガリガリ君は50円だった気がする。


玉だしフーセンガムといって大きめの箱に入っているのだが、10円払って押して出てきたガムの色によって、当たりだと最大100円分のお買い物ができてしまうのだ!(青森だけ?じゃないはず)


当時のガキンチョは100円でガンギマリだったが、現在のお子様方は100円渡されてもガキンチョほどテンションは上がらないはずだ。

だってビックリマンチョコすら買えない。税込みだとね。

貨幣価値などの上昇などいろいろありますが、当時の駄菓子は所謂「コスパが良い」

 

企業は顧客のニーズにこたえるため、そしてその中で利益を出すためには様々な工夫や努力をしているわけです。

そして、どんどん安くなる業界も。

 

飲食業界も、「早い、うまい、安い」を実現できればもちろん売り上げは上がる。

安くてお財布に優しいという満足、おなかいっぱい美味いものをたべれたという満足。

 

美容室も、「早い、うまい、安い」を実現できればもちろん売り上げは上がる。

安くてお財布に優しいという満足、伸びた髪をさっぱりと素早くカットしてくれた満足。

 

そうです。

もう答えは出ているのです。

そうすればいいわけです。

 

あとはどう利益を捻出するかです。

材料をできるだけ安く、人件費をできるだけ安く、できるだけお客を1人でも多く回転させ数をこなし、できるだけお店を長く営業する。

 

はい、忙しい繁盛店が出来上がりました。

めでたしめでたし。

 

というように、繁盛店は作れるのです。

 

私は低価格が悪いとは思っていません。肯定も否定もしません。

そのほうが儲かるならもちろんそうしたほうが良いとも思っています。

 

しかし私にまだそんな店舗を他店舗展開する経営者としてのスキルが追い付いていない。

もしくは、そうしたいという意欲が現時点では低いというだけです。

 

お客様の、安ければ安いほうが良いという「お財布」に優しさや満足を与える事は出来ても

お客様の「心」に優しさ、そして満足を超える感動を与えることを、低価格高回転で実現できる力が、私には無いのです。

 

そして低価格高回転で、スタッフの「美容師としての誇り」を高めてあげる力が、私には無いのです。現時点では。

できるだけ安く提供することが企業努力であり、美徳であると言われれば、私は力不足ですと認めるしかない。

 

ではなぜ高級な飲食店、高額なヘアサロンがあるのか。

高級な飲食店も、素材・内装・接客・立地などの強い拘りと、舌とお腹を満たすだけではない、その先の感動で「心」を満たしてあげたいと思うからこその高価格設定だと思うのです。

 

自分自身、現役の時は(あ、今も現役か)そんなに高い単価ではなかったです。

しかし埼玉で月間400~450万ぐらいの売上を上げていましたので、当時はおそらく「売れっ子」に分類されていたと思います。

お給料はそこそこもらえていたと思います。休みもあまりとらなかったですしね。

じゃあまたそうすればいいし、そういうスタイリスト育てろよって話なのですが、

個人的にあまり満たされてなかったんです。

 

何が?というと、それは

ザックリ言うと、

「心」ですかね。

 

ふと冷静に自分のアベレージと向き合った時、

もっと客数減らせば精神的にも楽なのにな。

休みを取って売上少し減らしてでも、もっと家族との時間を過ごしたいな。

そう感じたとき、自分だけでなく、すべての美容師さんに対して、自己投資をして手にした技術とスキルがあるのなら「自分を安売り」するべきではない、と感じるようになりました。

 

私はこの、「お財布に優しい」ことばかりを追求してくと、過剰な価格競争や業界の価値の低下を増幅させる要因になるように感じるのです。

 

「私はN’SOLに通ってるのよ。ちょっと高いんだけどね。」

と言ってくれるようなお客様に、私は全力を尽くしたいわけです。

 

あなたを指名することがステータスになる。

ちょっと高いけど、それに見合った満足と感動をもらえる。

そう思ってもらえるよう自己研鑽することでしか、

美容師の価値は上がらないと思うのです。

 

美容師の皆さん、一緒に頑張りましょうね!

 

さーて、どんどん焼きでも喰うか。



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