失敗からの学び、価格編②

「しくじり」から学ぶ美容室経営。

先日はどちらかと言うと業界全体の価格の私見を述べましたが、今回はもう少し掘り下げてみようかと。

こちらのブログ、お客様もご覧なっていると思うのでかなり「デリケート&センシティブ」に表現しないといけないのですが、そこをあえて切り込もうかと。

他社のオーナー様からも値段のことを相談されることもあるのですが、N’SOLは初回のご新規様にはクーポンなどでの割引を行っています。

既存のお客様には、期間限定のキャンペーンなどでサービスなどは年1~2回ほど実施はしますが、基本お値引きは致しません。

 

話によると、次回予約を取ってくれたら次回20%OFFとか30%OFFしたり、既存のお客様にもポータルサイトでのクーポン割引をしているサロンが結構あるようです。

理由としては、

ご新規ばかりサービスして申し訳ないから

いつもご利用いただいてるので感謝の意味も込めて

サービスして失客を防ぎたい、囲い込みたい。

積極的にカラーやヘッドスパをチケット制にするなどして来店周期を縮めたりなど工夫をされています。

とても素晴らしいと思いますし、それで目標の利益も出るのであれば続けるべきです。

お客様が自身のサロンを選ぶ一番の理由が「値引き」であり、

スタッフも、支持されている一番の理由が「値引き」と感じているならいいと思います。

むしろ値引きを止めてはいけないと思います。

 

それはなぜか?

値引きは、お客様もスタッフも「慣れる」からです。

 

10000円のメニューをお客様がされたとします。

前回は次回予約したので30%引きで7000円になりました。

今回も次回予約するので次も7000円、その次も7000円。

お客様にとっては、もはや10000円のメニューではなく7000円のメニューとして毎回来店すると思います。

毎回割り引かれるのが当たり前なので、正規の金額の感覚は薄れるわけですが、問題はそこではなく、

毎回値引きされているのが当たり前になっているお客様をさらに喜ばせるサービスが、「さらなる値引き」になる可能性が出てしまうのです。

 

いつも割引されてるので、本来は「いつも値引きしてくれてありがとね。」となるのですが、値引きをしないとなったとき、お客様によっては「不満」となるのです。

「なんで値引きしてくれないんだ」と。

 

そして値引きすることで「お客様への優しさ」を売っていたスタッフは、お客様に悪いことをしているという「罪悪感」を抱いてしまう場合があり、値引きがスタンダードな営業スタイルなのだということが染みついてしまう。

 

逆に毎回正規のお値段でご利用いただいているお客様に、「今回は○○なので、○○をサービスさせていただきますね。」

となると、純粋サービスに対して喜んでいただけるのです。

 

お客様が喜んでくれて、スタッフもうれしい。

 

お客様は、はたしてその値引きがないと、来てくれないものなのでしょうか?

今回とても気に入った美容室だけど、あっちの美容室の方が「値引き」してくれるからそっちに行こうかな、というお客様ばかりではないと思うのです。

 

美容師はもっと、お客様の「品格」を信じるべきだと思うのです。

 

私は車が好きです。

Photo by Lance Asper on Unsplash

人や荷物を楽に素早く運ぶことのできる道具、それが車です。

道具としての役割を果たしてくれれば、別に安くてもいいわけだし、なんなら所有せずその都度タクシーやバスを使えばいい。都会ならなおさら。

 

高級車なんて本来必要ないわけです。

道具としては「超絶無駄」なのです。

ではなんで高級車が売れるのか。

 

パワーのある無駄にでかい四駆なんて本来必要ないわけです。

都会にはぐちゃぐちゃの悪路や険しい山道なんてほぼ無いのです。

ではなんでそんな車をわざわざ高いお金を払って買うのか。

 

それは道具というものを越え、所有することでのステータスを得られるからです。

車そのもののスペック、デザイン、こだわり・・・。

 

それを感じることで自分自身も磨かれているような、レベルが上がったような気持ちにさせてくれる、

そこにもお金を払っているわけです。

 

私は腕時計も好きです。

時間がわかる。それ以上でもそれ以下でもない道具、それが時計。

携帯でもわかるじゃん!高級時計なんていらなくない?なんなら腕時計自体いらなくない?

はい。いりません。

無きゃ無くていいモノでございます。

 

腕時計という限られた小さなスペースでいくつもの微細なパーツたちが止まることなく時を刻み続けるメカニズムと、洗練されたデザイン、素材感、そしてそれをつけることで自分自身も磨かれているような、レベルが上がったような気持ちにさせてくれる、

そこにお金を払っているわけです。もちろんそれ以外にもあると思いますけどね(見栄とか)

 

簡単にいうと、単純に好きなんです。

 

恋愛をするのに、

男だったら誰でもいい。

女だったら誰でもいい。

って人は極めて少ないはず。

 

最近は、彼氏彼女は「二次元」で充分、という人もいるらしいが。

私は、もっともっとお客様を、そしてスタッフ達を信じたいと思うわけです。

 

「髪を切る」「髪を染める」「髪を曲げる」「髪を潤す」

だけではない、

その先にある、そのサロンにしかない、お客様にとって「ステータス」をどれぐらい感じてもらえるか。

そういうことを真剣に考える「職業観」の高い集団になれているか。

 

お客様の「心」に満足を与えるのは、やはり「心」だと思うのです。

美容業界の皆さん、

勇気をだして、

必要以上に値引きを乱発せずに、

頂いた金額以上の満足と感動をお届けすることに、

シフトしましょう!

 

N’SOLをご利用いただいているお客様!いつもありがとうございます!

 

ボク、もっともっと頑張りますね!

死なない程度に、死ぬほど頑張りますね!

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