私はスポーツが好きです。
特に野球とテニスとプロレスは。
つい何年か前まで、少々疑問に思っていたことが。
「高校野球ではガム噛んだりしてないのに、なぜプロはガム噛んで試合しているのか」
同じ野球なのに真逆なわけです。
当然プロだからいいだろ、プロだったら普通じゃん、って思う人もいるでしょうが、
なんでプロならいいのか、説明できますかね?
プロがお手本となるなら本来逆じゃん、なんて思う人もいません?
中にはプロのくせにガム噛んでんじゃねーよ、ガム噛んでるからエラーすんだよ、ガム噛んでるから三振すんだよ、
とかいってガム噛んでることを不快に感じる人もいるようですし。
だらしないとか、生意気だとか、かっこつけんなとか、あーだこーだ・・・。
高校野球でデッドボール受けて乱闘。
高校野球で三振してヘルメットやバット投げつけて悔しがる球児。
高校野球で判定に不服で審判に暴言。
高校野球で攻守が変わるときベンチまでちんたら歩く・・・、
見たことないですね。
プロ野球で試合後並んで帽子を脱いでお互い一礼。
プロ野球で明らかに間に合わないゴロなのにヘッドスライディング。
プロ野球で毎回全員ベンチから出て大声で声援。
見たことないですね。
プロ野球の選手たち、高校野球で何を学んできたんでしょうね。
しかしですよ、
やっている競技は一緒でも、「目的」は違うわけです。
高校野球では「チーム」での勝利が優先されていたのに対して、
プロとなると、「自分の成績」がダイレクトに年俸に影響し、「ファン」を楽しませるエンタメの要素、「スポンサー」など取り巻く環境は劇的に変わるわけです。
その為にはある程度のプロとしての個人が尊重されないといけないわけです。
しかしプロ野球にはチームの伝統というものもあり(巨人軍たるもの遠征の移動はスーツ、みたいに)、そことのバランスもあるわけですね。
球児という教育課程でもあり保護者がいる状態と、プロとして一人立ちしている状態は明らかに置かれている状況は違います。
夏の青春にすべてをかけて臨む高校球児の覚悟ももちろんすごいですが、
プロである自分とチームの看板を背負う覚悟にはものすごいプレッシャーも生じるわけです。
そりゃ選手生命にかかわる危険球も怒るでしょうし、打てなければ、打たれれば感情的にもなるでしょう。
なんでもいいからゲン担ぎしたくなって、金のネックレスつけてみたり髪染めてみたりしたくなるでしょう。
スランプにも悩むでしょうし、選手としての寿命は決して長くはない。
日本中のファン、いや、世界中のファンが注目しているわけです。
何が言いたいかというと、
一般人が「?」と思うプロの行動にもそれなりにきちんと意味があるに違いないと思うわけです。
ちんたら歩いているように見えて精神と呼吸を整えていたり、
感情をあらわにして、チームメイトの闘争心を鼓舞したり、
納得いかない判定にも食らいつきたくなるのもわかるわけです。
だって、結果を出し続けないと、来年はプレーできないかもしれないんですから。
であれば、
常に緊張した状態の中試合が行われ、緊張しっぱなしでプレーを続け、三振・エラーをしてしまいチームが負けてしまうようなことになってしまう不安があるなら、
咀嚼という行為で心臓の鼓動とリンクさせ(リズム運動)、ゆっくりかむことで上昇した心拍数を低下させ、冷静に物事を判断できるようになるガムを噛む行為は決して不快な行為ではない、
むしろ推奨するべき、
そう思えてきませんか?
プロというのは我々が思ってる以上にストイックで繊細な世界を生きているのです。
批判をする前に、まずは理由を探して理解しようとする気持ちが人間には必要であり、人間にしかできない事のような気がします。
人の表面的な浅いところだけ見て、嫌ってみたり批判してみたりする薄っぺらい人間に、素敵な人は集まってきません。
美容師も一応プロとしてお金をいただいてます。
薄っぺらい美容師にお客様の指名は増えないわけです。
だったら指名増やすために、ガム噛んで接客してもいいかって?
そうだな。いいかもしれないね。
じゃあ明日からみんなガム噛んで営業しても・・・、
いーわけねーだろ!
あのね、
同じプロかもしれませんが、さっき言ったように「目的」を明確にしないとね。
美容室においての主役はまずは「お客様」ですよ。
しかも「チームプレイ」の「接客業」でもあるわけです。
目立つべきは美容師ではないのよ。
目立たせてあげる側です。
ガム噛みながらの方が上手にカットできても、残念ながら指名数は増えないと思う。
指名数増えなかったら、結果「プロの美容師」としては失格ですよね。
耳元でクチャクチャくちゃKUCHA・・・やっぱりそれは不快でしかないですよ。
「ガム噛みながら切ってほしいわー♡」
聞いたことねーな・・・。
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